お財布ねえ。
そもそも私はブランド物に関心がありません。
先日大事故が起きた梨泰院に20代の頃行きましたが、商品はコピーばかり。買う方もお遊び気分でした。
ありえないグッズ(ロレックスのスカーフとかカルチェの靴とか)が確かあった中で、作りと値段で判断して、なんちゃってルイヴィトンの旅行鞄を買いました。5000円也。
でもLVのロゴの威力はものすごく、電車の中で車掌さんに「いいモノ持ってますねえ」なんて言われるのです。偽物なのに、ハズカシイったらありゃしない。
で、やっぱり嫌になって、イチビリの営業マンに譲りました。1回しか使ってなかったほぼ新品のそれは、そのまま5000円で売れたのです。
この話には続きがあって、左ハンドル(当時の外車は皆、ハンドルが逆についていました)のプジョーに乗っていたその営業マンは、リアシートにコピールイヴィトンのそのバッグを置いたまま食事に行った隙に、車上荒らしに遭いました。リアウインドウを割られ偽物のカバンを盗まれたという悲惨な被害で、修理代の高額さが一番痛かったとのこと。
よく見れば本物ではないことが一目でわかるようなシロモノだったのに、気の毒な結果になりました。
有名ブランドは確かに作りもしっかりしていて、価値はあるのでしょう。でも、これ見よがしに「マーク」を見せつけるのは気恥ずかしく、また、学校の制服みたいに、みんなと同じものを持つことにも抵抗があり、ブランド物に魅力を感じません。
「財布は踊る」はルイヴィトンの財布が連環していて、世の悪徳商法や投資術や財テクなどが一通り学べる、勉強になるエンタメです。
原田ひ香さんの作品には通底しているものがありますね。
「地道が一番」
コツコツまじめに働き、ささやかな幸せを愛する。そんな生き方を推奨する作品が多いような気がします。
女性作家では今、一番の注目株的な存在。コロナ禍を如何に乗り切るか、参考になるエピソードが、どの作品にも見られます。目についた手頃なものから、まずは読んでみてください。