ベルギー発 フルカラーコミック「わたしを忘れないで」胸に染み入る名作です!

このコミックは、最近お気に入りの書店・TOUTEN BOOKSTORE(名古屋・金山駅付近)店長のおすすめで購入しました。

コミックで2000円はちょっと高いな、というのが第一印象でしたが、フルカラーで、ストーリーも構成も素晴らしく、実に感動的な作品! さすが、本国ベルギーで数々の賞を受賞したという渾身のデビュー作です。

老いに纏わる様々な問題が、本人・家族・介護者・さらにその周辺の人々、それぞれの立場があり・感情があり・希望・諦めもあり・・・ 軽妙なタッチの絵で描かれているので、重いテーマがそこはかとなく緩和され、その分、胸の奥にじわじわと浸透してきます。

昨日(2023.5.7)朝、NHKラジオ第一放送で矢部太郎さんが同書を絶賛紹介されていました。

矢部さんのイラストは、過日このブログで綴った「ボケ日和」にも掲載されていて、シニアの方にお詳しい矢部さんにとって、この「わたしを忘れないで」はリアルに刺激的だったようにお見受けしました。

世界を席巻している日本アニメですが、海外の漫画家は、日本のマンガとは一味違う、新鮮なコマ割りやセリフの入れ方、見せ方をなさるのですね。

日本の漫画家は激戦区の戦士たちのようで、ひとたび注目されると、体力勝負で作品を出し続けなければならない、と聞いたことがあります。

アイデアがコンコンと湧き出る間は良いでしょうが、乾いた雑巾を絞っているのでは、と心配させられることもあり、なんだか気の毒に思えてしまいます。

外国のマンガ事情には全く疎いのですが、こんなステキな作品が生まれる土壌があるということは、なんだか夢が膨らむようでイイですね。

矢部さんがおっしゃっていましたが、読み返すと、また違った側面が見えてくる、一冊で何度も反芻できるお得なコミックです。

読むロードムービー、ぜひご堪能ください。