太宰治のお孫さん登場!

石原燃(ネン)さん、渾身のデビュー作

第163回芥川賞候補作「赤い砂を蹴る」石原燃さん。さすがに血は争えません。太宰治の孫にして津島佑子氏の娘。この御血筋にして、この流れるような文章。うらやましいの一言につきます。

この作品もマリコ書房のご推薦です。

格調高い本作を汚さないよう、私の拙い言葉でお伝えするのは控えて、帯の文言をご紹介したいと思います。

お母さん、聞こえる? 私は、生きていくよ。

幼くして命を落とした弟。心ない世間の声に抗い、それでも母は、自由に生きたー。ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く、渾身のデビュー小説。

画家の母・恭子を亡くした千夏は、母の友人・芽衣子とふたり、ブラジルへ旅に出る。芽衣子もまた、アルコール依存の夫・雅尚を亡くした直後のことだった。ミランドポリスに舞い上がる赤い砂に、やがて家族の記憶が鮮やかに浮かび上がるー。

ひとくくりには絶対にできない。でも確かに「同志」である私たちの背中に寄り添う物語。

ぜひ、美しい文をご堪能ください!