40歳というのは、一区切りつく年齢なのでしょうか。桐島洋子さんの「マザー・グースと三匹の子豚たち」も40歳に人生のリセットという言葉を使っていらっしゃいましたが、益田ミリさんも「美しいものを見に行くツアーひとり参加」という、この書き下ろしの旅行記を書かれたきっかけが、40歳という年齢のようです。
私は国内旅行は老後の楽しみに取っておくクチで、アラ還をうろうろしながら、まだ、海外旅行熱が冷めません。
と言ってもコロナ禍では制限が多く、今は旅行の計画をいろいろ頭の中で練るのが、関の山。
旅行記を読むのは、旅情・私にピッタリのドイツ語では「フェルンヴェー」が掻き立てられ、精神衛生上、プラスマイナスゼロという感覚。夢を描くポジティブな面と、行けない現状に歯噛みする欲求不満増幅の面と。
まあでも、やっぱり「読書の愉しみ」という側面が、私には大いにあり、加えて益田ミリさんは、文も絵もうまくて、読んでいて、それはそれは楽しいのです。
オーロラを絶対見たい、とか、クリスマスマーケットの写真を見て憧れて、とか。全くの一人旅はハードルが高い。ツアーにお一人様参加は割高だけど、気ままな時間を大切にしたい。などなど、いろんな理由で、上手にツアーの一人参加を楽しんでいらっしゃる益田さん。
旅行に関する知恵袋も分かりやすく描かれていて、ためになる1冊です。
リオのカーニバルを見に、ブラジルまで行かれたとは、アクティブですねえ。
でも、ワタクシ、モンサンミッシェルは、益田さん憧れの、《中で1泊》いたしました(自慢)
私も何度かツアーに一人参加しましたが、言葉が通じにくいところや、勝手がわかりにくいところは、確かにグッド。勇気と好奇心とちょっと余裕の資金がある方に、素敵な指南書としておすすめいたします。