入管法改正の参考文献にぜひ加えてほしい名作「やさしい猫」中島京子著

入管の実態。それを悲惨な状況写真やルポタージュで訴えるのを「北風作戦」とすれば、文学で心の奥底に響かせるのが「太陽作戦」。と、これは私の勝手な命名ですが、《やさしい猫》はまさしく「太陽作戦」の急先鋒になる名作。久々に文学の【力】を実感しました。

初出は読売新聞の夕刊への連載で、多くの方から反響があったそうです。

そして栄えある吉川英治文学賞受賞! 

入管でウィシュマさんが亡くなられたことで、出入国在留管理庁も法務省のホームページに反省を込めた文章を掲載し、職員の意識改革を目指しているようですが、入管法改正の話はどれくらい進んでいるのでしょうか。

以前、「ルポ 差別と貧困の外国人労働者」という本を以前取り上げました。

現在、ウクライナがロシアと戦争していることから、ウクライナ人への支援が盛り上がっていますが、今までずっと苦労している技能実習生たちは、ちっとも救われていません。コロナが追い打ちをかけ、本当に気の毒な状態です。

「やさしい猫」を大勢の人が読んでくださり、私たちの生活を支えてくれている技能実習生や留学生への意識が変わることを願ってやみません。