マカン・マランの口福

マカン・マラン 古内一絵著

食べ物の表現が上手い作家は、どちらかというと女性に多いような気がします。私の脳内で何人かがリストアップされますが、この「マカン・マラン」に出てくるお料理は、美味しそうな上、身体にもことのほか良さそうで、唾液腺がぐいぐい刺激されました。

23時オープンの夜食カフェとは、私にはちょっと酷な営業時間で、なにしろババアの私は5時前に起き、10時には寝てしまうので。ま、もちろん、あくまでも小説ですから、実在しないのは分かっているのですけどね。

それにしても、滋味深いお料理の表現には、ヨダレが止まらなくなり、第2話の金のお米パンには涙腺まで刺激され、小説の「力」をみせつけられた作品でした。

マカンは食事、マランは夜、という意味のインドネシア語だそうです。ドラァグクイーンという表現も私には目新しく、言葉の勉強にもなりました。

私もマクロビオティックを研究してみようかな。身体を作っているのは、食べ物のチカラ。化学調味料ばかり摂っている最近の食生活の上、この異常な暑さで、心体共に参ってきました。父の介護を助太刀するためにも、健康でいなくてはと、思いを新たにしているところ。実用書以上に向上心を刺激する1冊でした。