命を張った武勇伝「闇の盾」日本リスクコントロール社長・寺尾文孝

「闇の盾」うまいタイトルですね。

警視庁入庁後、東京水上署、第一機動隊勤務を経た体育会系硬派な著者が、公務員ではおさまりきれず、退職後、政界・警察・芸能界の守り神として暗躍(?)する。ガーシーなんて鼻息で飛ばされそうな、大物・傑物の裏話も満載。面白くないわけがありません。

大金が動き、権力のパワーバランスで、歴史そのものに影響しているような話がわんさか。表に出すとアブナイ事情を闇から闇に葬ったというのは、特権階級のエゴを見るようです。思わず「ずるい!!!!!」と叫びたくなるようなエピソードもありますが、小市民レベルでは踏み込めない、複雑怪奇な魑魅魍魎が跋扈しているのでしょう。知らぬが仏というべきか。

自慢話に終始しそうな逸話揃いですが、著者は世界情勢も冷静に公平に見据えていらっしゃり、軽薄なユーチューバーとは一線を画した、重厚な内容です。

林真理子さんの紹介がず~~~っと前にあったのに、なかなか読む機会に恵まれず、ようやく読了できました。寺尾文孝氏のような《人を見る目》を身につけられるよう精進しようと、改めて心に誓いました。