大女優 高峰秀子の文才

にんげん住所録 高峰秀子著

あのお美しい大女優・高峰秀子さん。あまたの映画に出演され、数多くの賞も獲得されているのに、さらに文才まであるなんて。「わたしの渡世日記」では、日本エッセイスト・クラブ賞までとられています。

ご苦労された方なんですね。養女先で、金づるとして馬車馬のように働かされ、稼ぎはその養母が湯水のように贅沢三昧で使い切り、秀子さんはそんな仕打ちにも、ひねくれたり逃げたりせず、冷めた目で人間観察をするようになったとか。

大女優であったため、交友関係は幅広く多彩で、「にんげん住所録」はその豊かな人間関係が、ユーモラスなタッチで描かれています。

おいしい人間 高峰秀子著

「おいしい人間」は人間だけでなく、食に関するエッセイも多く掲載され、特に老人食リハーサルメニューは、介護をされている方に大いに参考になるレシピです。

にんげんのおへそ 高峰秀子著

「にんげんのおへそ」には爽快な交友録が描かれ、超有名人が軒を連ねていて、秀子さんの人間力にひたすら恐れ入るばかりです。

彼女はあんなに有名だったにもかかわらず、本当に良識と常識と分別のある、良いお人柄の方だったんですね。夫のために甲斐甲斐しく台所に立つ様は、「私もこんなお嫁さんがほしい!」と叫びたくなるくらいです。

ほのぼのとユーモラスであったかいエッセイ集3冊。お気楽に読めるのがウレシイですね。