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英語とドイツ語の比較とドイツ人あるある

わざわざ言語学を勉強していなくても、ドイツ語と英語は同じゲルマン語族に分類されるという知識は、けっこう知られていると思います。

写真の辞書、どちらもかなりの年代物です。特に独和辞典は私の汗と涙(?)が染み込んでいて、これはもう棺桶に入れてもらおうかなと思っているくらい。新正書法前の物なので、もう古くなった表記の辞書ですが、細密文字の大量の自分の書き込みを見ると、捨てる気になれません。

さて、ドイツ人が話す英語。これはもう、圧倒的に日本人より上手です。極端に例えれば、東北の人が博多弁を喋るのに近いわけですから、比較することが無謀です。

でも、この両方の言語を第二語学として学んだ私は、在独中、ドイツ人の英語あるあるをいくつか目撃・指摘し、溜飲を下げたこともあります。では、いってみましょう。

携帯電話。ドイツ語では Handy ハンディ(ハは「は」と「へ」の間の音)と言います。ドイツのじゃりン子たちは、自分の知っている英語の筆頭に、堂々と「Handy」をあげますが、英語ネイティブは mobile phone というのが普通ですから、これはもう笑い話に近いです。

ドイツの事務所でこんなエピソードを聞かされました。

スペインの工場とドイツの会社を社長が兼任していて、たいてい社長はスペインに滞在していました。社長と急遽、連絡をとる必要が生じたドイツ駐在員が、スペインにいる社長付け日本人秘書に

「社長のハンディを教えて」と尋ねると

「なんで、そんなプライベートなことまで、私が把握してなきゃいけないの?!」

と、エラく怒られてしまい、あの~、携帯の番号を教えて欲しかったんですけど・・・と、低姿勢に言うと

「あら、ゴルフのハンディキャップのことじゃなかったの」

という誤解とわかりました。日本人まで毒されんでも・・・

乗り物表現。英語では by car とか by taxi と言いますが、ドイツ語では mit der Bahn や mit dem Flug と言います。この MIT は英語の with にかなり近いので、ドイツ人は with taxi などと言うことが頻繁にあります。

社内規定改正の時、ドイツオフィスは公用語が英語だったので、レギュレーションも英文でした。出張規定で飛行機はエコノミーを使うようにという表記に「with plane」の文字を発見した私は、鬼の首を取ったように指摘してやりましたよ。

。ドイツ語では女性を Frau フラウ というのですが、所有冠詞がつくと「妻」になります。meine Frau とは「ウチのカミサン(コロンボ警部風)」となるわけです。

ところが、wife という単語を忘れたのか知らないのか、社内規定に his woman の文字を見つけた時には爆笑してしまいました。

ま、私の英語もドイツ語も、自慢できるほどのレベルじゃないので、この辺で自重いたします。