またまた鎌田實先生の登場です。YES か NO か、○か✖か、と二元化しか解がないところに「△」というもうひとつの選択肢を加えようという考え方。いわゆるグレーゾーンではなく《別解》という言葉がいいですね。鎌田先生、言葉を生み出すセンスが抜群です。
例えば医療現場では、命を救う-○か、救えない-✖ の2つに一つととらえがちですが、命を支える医療という「別解」もあるということ。ホスピスやデイケアなどがそうですが、もっと根本的に、健康な食生活を普及する活動や、日頃から軽い運動を心掛けるように働きかけるイベント推進なども、大切な医療の役割であると、鎌田先生は考えておられます。実際、長野県の平均寿命を引き上げたのは、鎌田先生の努力の賜物です。
長寿という正解に目を奪われず、楽しく生きるという《別解》の大切さを理解することが大事。人生後半にさしかかってきて、心に沁みる言葉です。いつも「○」ばかりを追いかけず、「△」を見つける習慣を。