コロナ時代を生きるヒント

コロナ時代を生きるヒント 鎌田實著

鎌田實先生、もう圧巻です。毎日のブログの更新を欠かさずなさりながら、たくさんのご著書を書き、イラクや他の海外への援助・遠征。御年72歳、脅威的な行動力です。

この「コロナ時代に生きるヒント」に書いておられる《ピンピンヒラリ》という逝き方。ピンピンコロリよりずっといいですね。オン・コロナからウィズ・コロナ、アフター・コロナにビヨンド・コロナ。やたら横文字が並びますが、都知事の英語好きより鎌田先生の英語表現は説得力があります。

コロナをただネガティブにとらえるのではなく、この状況になってしまったのだから、しっかり対応して、尚且つ前向きに(もちろん周囲に配慮しながら)生きる。あたりまえのようですが、現状を嘆く人が多い昨今、貴重な存在と言えます。

がんばらない 鎌田實著

「死」についての表記が多いのが、この本と、上の「がんばらない」の特徴です。が、医師として科学的な考えを重視しながらも、一種霊的な存在を肯定する話をこのように書き連ねていらっしゃるのは、注目に値することだと思います。霊性、スピリチュアル、魂の存在、などなど。

沖縄のシャーマニズム、ユタやノロに関する記述も興味深いです。最近父を弔った私には、「法事や葬儀も大切な意味がある」というベッカー教授の言葉の引用は、心温まるものがありました。

高齢化社会が加速し、死がより身近になっていきます。そんな時、「死はこわくない」という医師からのはっきりしたメッセージを読むと、救われる気がするのではないでしょうか。新しい本と、古い大ベストセラー。どちらも味わい深い良書です。