メルケル前首相の評伝。プーチンの冷酷さがよく著されています。

惜しまれながらも退陣されたドイツの前首相・メルケル氏。彼女の政治手腕を様々な人がいろんな側面から描き出した秀逸の評伝です。メルケル氏のお人柄が余すところなくクリアになり、益々彼女が好きになります。マリア・テレジアの再来と言われる女帝の生き様をお読みください。

「ビートルズを呼んだ男」野地秩嘉著は面白すぎます。

1966年、ビートルズ来日! このビックイベントを成し遂げるために、永島達司という超好人物の存在が欠かせなかったことを、爆笑エピソード盛沢山でお伝えするノンフィクション。世界中のミュージシャンから愛と信頼を集めたサムライ男児の生涯をぜひお読みください。

2022.02.22の天声人語から

カルロス・ゴーン被告の日産自動車在籍時の専横ぶりが、現在、裁判で取り上げられているという今朝のコラムを読んで、今、読み進めている平野啓一郎氏の「ある男」を結び付けました。金正恩・プーチンといった独裁者について、思いつくまま綴っています。

感動の歌集 滑走路 萩原慎一郎

俵万智さんをして「今、もっとも感情移入してしまう本」と言わしめる、口語短歌の傑作集。苦難の中、希望を歌に託した魂の絶唱が、胸の奥に染み入って聞こえてきます。もっと生きて、もっと素晴らしい言葉を紡いでほしかった。作者の早逝があまりに残念です。

「させていただく」の使い方 言語学の教授が新書で説明してくれました。

本日は既に退勤させていただきました。あるいは、ご相談させていただきたく存じます。違和感ありますか? 多用しているクチですか? 相手への敬意より、自分のために敬語を使っていることが、実は最近増えているようですよ。読んでナットクしてください。

圧巻の闇社会小説「テスカトリポカ」

あまりにブラックな世界を《小説の世界》だからこそ書けたと思いたい、直木賞受賞作にしては異色の作品と言えるでしょうか。審査員の先生方は「グロイ」表現に辟易されたのか? 私はかなりワクワク読み終えることができました。

警察小説の旗手・佐々木譲による長編「抵抗都市」

日露戦争に「負けた」という仮定による、大正5年の東京が舞台。ロシア統治下で、国を揺るがす陰謀の幕が開く。警察小説の旗手が、正義の警察官・新堂を主人公に据えて、自在に読者の好奇心を揺さぶります。スパイ小説と言っても通じる、歴史改変小説です。

陽陽介護という現実

オミクロン株が猛威を奮っている昨今。ワクチン接種希望者の電話も、いささか殺気立っています。コールセンターで勤務する私が、こんな愚痴を書いてしまうのはご法度かもしれないのですが、現状を知っていただきたく、あえて書かせていただきました。