おいしい和菓子のミステリーにはまってしまいました。

タイトルが赤毛のアンのパロディなので、なんとなく手に取るのを躊躇していた本ですが、通い詰めている図書館の司書さんに「これはオススメです」と言っていただいたので、読んでみました。

いやあ、面白い! 殺人とか死体とかが出てくる物騒なミステリーではなく、北村薫さんの「空飛ぶ馬」を少し連想するような、日常の不思議を解き明かすオハナシです。ヒロインがとてもチャーミングで、他の登場人物もそれぞれ魅力的。和菓子の奥深さが興味をそそるように書かれていて、思わず練り切りを買いにいって、お抹茶まで淹れてしまいました。

ほんわかした内容で、安心して読めます。デパ地下の様子の描写も、また興味をそそるところ。ベストセラーだったんですね。存じ上げず、失礼しました。

「アンと青春」はヒロインが成長していて、オハナシはほんの少しシビアになってます。福島原発事故のことなどもさりげなく取り入れられていて(ネタバレかなあ)、坂本 司さん、なかなかやりますね。

ところで、作者のお名前が男性か女性なのか「?」です。文体から察するに、女子かなあ、と想像するのですが、北村薫さんのような例もありますし、決めつけられませんね。

実は私、昨日仕事で大失敗をやらかしまして。コールセンターで「母のワクチンの予約を代わりに取りたい」との申し出に、サクサクと予約業務をこなし、最後に

「ではお電話口さま、息子さんですか? お名前をいただきたいのですが」

「(一瞬沈黙)娘です」

うわあ、大変失礼しました<m(__)m><m(__)m><m(__)m>

もう平謝りでした。でも、お電話を切られる時も、怒りが伝わってくる受話器の置き方だったなあ。ハスキーボイスで母親想いの素敵なお方、本当にごめんなさいでした。