話題の「小説8050」林真理子著を読了

さすがは元コピーライター、タイトルが上手いです。現代社会の「8050問題」がテーマになっていることが、一発で分かります。

読み始めると止まらなくなり、ほぼ貫徹状態です。一気読みでした。

ただ、タイトルから、80代の年金生活者と50代の引きこもりパラサイトのリアルな問題を勝手にイメージしていたので、正直「当てが外れた」感もあります。

私が想定していた内容は、NHKドラマの「こもりびと」がドンピシャだったようですが、残念ながら見逃しました。

林さんは以前、介護問題を扱った「我らがパラダイス」という小説を書いておられ、これがなんというか、ひじょうにコミカルな内容だったので、この「8050問題」の落ち着いた筆致には感服しました。新たな代表作と言われていますが、まさにその通りだと私も賛同します。

週刊新潮に連載されていた小説で、林さんにしては珍しく、大幅な加筆・改稿も施されたとのことで、思い入れもひとしおの作品でしょう。

引きこもり100万人時代の今、多くの方に手に取っていただきたい、オススメの本です。