事実は小説より奇なり「古本屋は奇談蒐集家」

なんとも魅力的な古本屋さん。

ソウルに実在する古書店の、本への愛情をめいっぱい蓄えた店長は、絶版本を依頼により探し出す《探偵》のような一面も。

そして、その依頼にあたり、お金を支払うのではなく、その探してほしい本に纏わるエピソードを開陳してもらうという、興味がふつふつ湧き上がるシステム。

なんだか「眉唾」のように思えるのですが、全部【実話】というのはオドロキです!

著者であり、奇談蒐集家であり、愛すべき古本屋の店長/ユン・ソングンさん。

訳者の清水博之氏も、一抹の疑惑を払拭すべく、ソウルまで出向き、訳者あとがきに「ほんまもんだ!」と証明してくださっています。

韓国で日本の作家が結構読まれている事実なども、また興味深く、いろんな楽しみ方ができる、お得な1冊です。

29冊の本と、それに絡む捜索依頼人の悲喜こもごもの29の人生談。

読書の幅を十二分に広げられる、ソウル発の素晴らしい本を、ぜひどうぞ。