三浦百惠さんの本が出たと聞いて、すぐ図書館に予約を入れたのですが、やっと順番がまわってきました。
2000円(税別)とちょっとお高くて手が出なかったのですが、内容は美しい装丁でオシャレな写真満載の豪華オールカラー版。これならお値段にも納得です。
百惠さんの初めての著書「蒼い時」を読んだのは、まだ中学生だったか、もう高校生だったか。ゴーストライターを使わず、ご自分で書かれたということで、友達と回し読みしながら、芸能界談義に花を咲かせたものでした。
当時も、その文才を羨んでいましたが、この「時間の花束」も滋味あふれる文体で、フランス語の甘やかな作品タイトルと相まって、読むと穏やかな気持ちになれます。
パッチワークとキルトの違いがよくわからなかったのですが、パッチワークは小さな布きれをつなぎ合わせること、キルトは布と布の間に綿などを挟んで縫い合わせること。それでパッチワークキルトは、その両方が組み合わさった作品、とやっと腑に落ちました。
百惠さんの作品は大作が多く、2m四方くらいもあるということで、細かい手仕事に費やされた膨大な時間に、気が遠くなりそうになります。また、そんな作品が飾れる大きなおウチなのだなあ、と、妄想モード全開になってしまいました。
母もパッチワークをよくやっていて、チクチク針を動かす姿に、「私にはぜったいムリ」と、いつも脱帽です。根気と忍耐は、読書には使えるのですが、針仕事には向かいません。色の組み合わせとか、はまると面白いのでしょうが、私はせいぜい出来上がった小物をありがたく使わせてもらうだけで十分です。
百惠さんの作品のなかで、ひときわ私が興をそそられたのは、色鮮やかなものではなく、レースを思わせる「真っ白」なベッドカバーでした。ぜひ本物を手触りを確かめながらじっくり見たいと思うのですが、そんな機会はないものでしょうか。
手作りの良さ、引き継がれていくといいですね。