伊吹有喜さんは注目株だそうです

今はちょっと、ついてないだけ 伊吹有喜著

林真理子さんが「マリコ書房」という動画配信をYouTubeで始められました。ご自分のご著書と他の方のオススメ著書を1冊ずつ紹介するという内容。林さんのおすすめはハズレがないので、いつも楽しく読んでいる私は、もちろんチャンネル登録も済ませました。

その栄えある(?)第1回目の推薦図書が伊吹有喜さんの「雲を紡ぐ」。早速図書館に出かけたのですが、既に貸し出されていたため、同じ作者の別の作品ということで借りてきたのが、この「今はちょっと、ついてないだけ」です。

いやいや、面白かったです。それよりも何よりも驚いたのは、①三重県出身だということ ②「四十九日のレシピ」の作者だということ

②は昔、NHKのドラマで観た記憶がしっかりあったから。あれは面白いオハナシでした。

林さんは伊吹さんを次回の直木賞に推すとのことで、「雲を紡ぐ」は注目株になりそうですね。

私が今回読んだ「今はちょっと、ついてないだけ」は、人生の敗者復活戦が根底にあって、再び成功へと歩きだす登場人物たちの生き方が、じんわり心に沁みます。主人公の立花浩樹がとても魅力的で、惚れてしまいました♡

敗者復活戦という言葉は、かつて勤務していたリクルートでよく聞かされたものです。バブルのイケイケドンドンの時代。営業職で「売ったモン勝ち」とはっぱをかけられ、馬の鼻づらにニンジンをぶら下げたようにして働かされ、売れなくなったら、ボロぞうきんのように捨てられる。。。

私は営業職ではなかったのですが、売り上げが直に影響する職種だったので、よく一緒に呑みに行ったりしたものです。学歴に関係なく、売ったものが勝者になる。まさに敗者復活戦。もっとも創業者の江副氏は東大卒だったんですけどね。

在籍中に、かのリクルート事件が起きたりしたので、ただでさえ「濃い」社風の中の思い出は、もうドロドロです。まあ、良い体験がたくさんできましたけどね。

伊吹有喜さん、他のご著書もぜひ読んでみようと思います。「ミッドナイト・バス」とか、面白そう。林真理子さん、ご紹介ありがとうございました。