柳家花緑さんに座布団1枚!

僕が手にいれた発達障害という止まり木 柳家花緑著

柳家花緑さんのことは、出張・なんでも鑑定団の司会ぐらいでしか拝見したことがなかったのですが、柳家小さんのお孫さんだったのですね。

しかも識字障害(ディスレクシア)とは。

ADHDとかLDとか、様々な発達障害について私が知ったのは、いつだったか。もし自分が子供を産んでいて、その子が発達障害だったら、間違いなく私はその子を痛めつけていたでしょう。想像しただけで恐ろしくなります。

識字障害とは、読む・書くことに困難がある、学習障害の一種です。そんな障害のある花緑さんが、こんな立派な本を書かれたなんて、ものすごい努力をされたんだろうな、と素直に頭が下がります。

発達障害は脳の機能障害と言われたり、神経伝達物質の調節障害だとも言われています。この本の中で花緑さんと対談している岩波先生によると、病気と言い切るには抵抗があり、個性ととらえるべきではないかと。これには私も大いに賛成です。

本の後半に出てくる花緑さんの弟子の柳家花飛(かっとび)さんのエピソードを読むと、自閉症の方に秘められた、とてつもない潜在能力の存在に、胸がわくわくします。

様々な障害をお持ちの方が、それを障害と気づかず、劣等感に苦しみ、また学校等でいじめに会うなど、大変な困難の中にいらっしゃるケースが多いように思います。

この本が発達障害の人々に良いきっかけを促す触発剤となって、勇気をもって前向きに生きていってくれるといいですね。同時に発達障害でない方も、障害を個性としてとらえ、良い意味で面白がるようになれば、WIN・WINでハッピーな世の中になることでしょう。

コロナ禍でぎすぎすしている現代に、ほっこりと笑わせてくれたり、目からうろこがたくさん落とせたりする本だと思います。鎌田實先生のブログで知った1冊です。心を潤わせたい方、ぜひどうぞ。